お役立ちコラム
年単位で進む間質性肺炎、このままフォローでいいのか?

地域医療における専門医不足問題の解決を目指し、専門医の知見を最大化することで医療へ貢献する株式会社Medii。
今回は「E-コンサル」で相談された実際の症例と、エキスパート専門医の回答をご紹介させていただきます。
ただし、今回は皆さまにエキスパート専門医の先生の回答を考えていただくクイズ企画となっており、回答の一部が隠されております。
「E-コンサル」に会員登録いただきますと、全文お読みいただけます。
「答えを知りたい!」と思われた方は、会員登録いただき答え合わせいただくとともに、「E-コンサル」もこの機会にぜひご活用ください!
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目次
「E-コンサル」とは
事例
専門医の回答
相談医の返信
「E-コンサル」とは
「E-コンサル」は、Doctor to Doctorのオンライン相談サービスです。
Mediiに登録するエキスパート専門医に1:1かつ匿名で気軽に相談できるプラットフォームです。
一度で解決しない場合には追加質問を行うことも可能です。
現在お悩みの症例から、当時の判断が正しかったのか不安に思っている過去の症例まで、ぜひご相談ください。
ホスピタリティたっぷりで回答くださるエキスパート専門医から多くの知見を得て診療にお役立ていただけます。
事例
・呼吸器内科
・特発性肺線維症
・今後の治療方針の相談
60 代 男性 特発性肺線維症
既往:DM(糖尿病)
仕事:元電鉄会社職員、粉塵吸引なし、アレルギーなし
喫煙:40本/日×48年 1年前から禁煙
現在の処方: PSL 50mg/日、バクタ 1 錠、ウルティブロ吸入
【病歴】
糖尿病で近医通院中。 7年前から呼吸苦があり間質性肺炎を指摘され、呼吸器内科受診を勧められるも拒否。 3-4年前から労作時呼吸苦が強くなり農作業ができなくなった。 3か月前から近医への通院もできなくなったため、10/11当院へ紹介受診。 この間、糖尿病治療はHbA1c9-10でコントロール不良。 また、昨年末から呼吸苦に対してICS/LABA/LAMA吸入を開始。
【身体所見】
受診時SpO2 94 (O2 4L/分)、RR 30/分、皮膚所見なし、関節所見なし
【検査所見】
ANA80倍、RF(-)、抗ds-DNA(-)、抗RNP(-)、抗SS-A,B(-)抗CCP(-)、抗SCL-70(-)、抗ARS(-)、MPO-ANCA(-)、PR3-ANCA(-)、抗MDA5(-)、KL-6 940、SP-D 183、HBsAg(-)、HBcAb(+)、HCV抗体(-)、HIV(-)、βDglucan 12.3:WNL
【画像読影】
CTでは両肺辺縁に蜂巣肺が見られ 下葉の蜂窩肺の変化が最も著しく蜂巣肺と正常範囲は突然に移行しており、肺気腫がbaseにあるかもしれないが通常型間質性肺炎UIPの進行型との所見。
以上より、特発性間質性肺炎と診断、CRP0.76 mg/dlより感染契機の増悪の可能性を考え、現在はTAZ/PIPCとステロイドパルス療法を開始、その後PSL 1 mg/kg/dayの内服に変更しました。
呼吸リハビリを行い、安静時SpO2 94-97%(O2 4L)、労作時SpO2 85%程度で全身状態は保たれております。 現在呼吸リハビリをおこなうと共に、HOT導入に予定しています。
①経過からするとIPFの急性増悪というよりはIPFの進行した状態を見ているように感じるのですが、そう考えるのが妥当でしょうか?
また、ステロイドは効果が明らかでなければ減量、中止が望ましいと考えているのですが、いかがでしょうか?
②IPFの進行した状態と考えた場合、抗線維化薬はこの時期でも有効で導入した方がよいのでしょうか?
③免疫抑制剤併用も考慮しましたが IPFの進行型なら効果が証明されていないと考え、併用していないのですが、これについてはいかがでしょうか?
Mediiエキスパート専門医の回答
①御呈示いただいたCT画像が今回入院時のものであれば、間質性肺炎の急性増悪は否定的かと愚考いたします。一般に間質性肺炎の増悪時には、今回ご供覧いただいたCTの状態に「○○○○○○○○○○○○○○」のが普通です。
IPパターンについては、UIPパターンといっても大きく矛盾はしないかと思いますが、一見末梢肺優位に出現した気腫性変化と見えなくもありません。
重喫煙歴があるようで、「○○○○(○○○○○○○○)」が鑑別に上るかと思います。
可能ならば、拡散能力検査も含む肺機能検査を施行し、IPに典型的な「○○○」障害+「○○」障害パターンなのか、「○○○○」に特徴的なスパイロ正常+拡散能著明低下なのかをご確認されるとよいと思います。
一つご確認いただきたいのが、右心負荷の程度です。
増悪傾向の労作時呼吸困難の原因として、特に気腫性変化の強い方の場合、肺血管床の減少による右心負荷の増大があることがあります。
「○○○○」でも進行すれば右心負荷が顕著にでてきます。右心負荷による労作時の低酸素の場合は、HOT導入が第一の選択肢になると思います。
②画像で「○○○○」の問題が残りますが、「○○○○○」、とくに「○○○○○○」については導入可能かと愚考いたします。
高額療養費の問題があります。
ステロイドは早期に減量中止が望ましいと思います。
「○○○○」であることが肺機能で特に疑われる場合は、今のところ「○○○○○○」が有効との知見は得られていないと思いますので、導入しても益は少ないかもしれません。
それよりも労作時の低酸素血症を評価の上、HOT導入がよいでしょうか。
③免疫抑制薬はIPFで有効性は否定的であり、「使用しないよう推奨」されていると思います。
「○○○○」については上述したように有効な治療はわかっていませんので、あえて導入する理由はないかと愚考いたします。
地域柄難しいのかもしれませんが、できれば呼吸器内科の専門医に一度みてもらってよいのではないかと思います。
相談医の返信
御回答誠にありがとうございます。ステロイドについては減量、中止の方向にしたいと思います。
呼吸機能検査を早速施行したいと存じますが、現在安静時でも酸素4L下でSpO2 92-94%、RR 20/分前後でトイレなどの短距離歩行で4Lで85%前後まで低下する状態で、安静にして90%以上に上がるのを待ちつつ用をたす状態です。
呼吸器リハビリでゆっくりシャワー浴まで(SpO2低下しますが)可能になってきた状態で、このままHOTを導入して退院。その後、呼吸器内科に紹介して、難病申請→「○○○○○○」導入をお願いする方向で考えたいと思います。
この度は的確なご指摘をいただき、非専門医としては方向性が分かり、心より感謝申し上げます。
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Medii編集部より
「E-コンサル」では、日々このような活発な質問と回答が行われており、専門医からの真摯な回答やその早さは、多くの医師の方々に評価いただいております。
皆さまのご相談で専門医の方々も得られることが多く、早期発見・早期治療・啓発に繋がります。
皆さまと目の前の患者さんだけでなく、他の医師や未来の患者さんまで救うための糧となるよう、ぜひ躊躇なく専門医へご相談ください。
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