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専門医への不要な紹介を38.7%減?カナダの研究から見るE-コンサルの有用性

お役立ちコラム

2023.9.26

専門医への不要な紹介を38.7%減?カナダの研究から見るE-コンサルの有用性

専門性の高い疾患を疑う患者を大学病院などの専門医に紹介する場合、事前に紹介状を送って、診察の予約をとるという手順が一般的です。しかし、リウマチ科などの一部の診療科は需要に対して専門医が少なく、診察予約がなかなか取れない、もしくは取れたとしても数ヶ月先、ということもあるのが実情です。そして、コロナ禍が落ち着いた後も、不必要な対面診察や患者の移動を減らそうという意識が一部定着しました。

今回は、主流である事前のFAX紹介状を用いた専門医へのコンサルテーションとE-コンサルを比較したカナダの研究を紹介します。カナダではリウマチ専門医の治療を必要とする患者数が増加する一方で、リウマチ専門医の数は比例して増えていません。
ある研究では、新規の関節リウマチ患者が専門医に初めて受診するまでの期間が、平均で77日、中央値50日と報告されています[1]。受け入れる紹介状の制限や紹介状の標準化などの方法をとっていますが、結果的に診察を断る患者を増やすことになり、患者の負担となっています。

そのような状況下にあるカナダで、E-コンサルはどのように有効活用されているのでしょうか。

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目次

紹介を検討していた症例の38%で紹介が不要に

その課題に対処すべく、オンタリオ州東部ではThe Champlain BASE™ (Building Access to Specialists through eConsultation)という、プライマリ・ケア医が専門医に相談できるWEBサービスを展開しています。

リウマチ科宛の225件のE-コンサルの調査では、コンサルテーションから回答までの時間の中央値は1.9日で、54%の症例で新たな、もしくは追加の診療方針に関する回答を得られ、38%の症例で当初検討していた専門医への紹介が必要なくなったことがわかりました[2]。

調査:従来型紹介状の症例はE-コンサルで対応できるのか

49%の症例でE-コンサルにより方針に変化

従来型紹介状(オンタリオ州ではFAXが一般的)の相談が、E-コンサルで対応できるのかを調査しました[3]。

分析対象:

  • 6名の常勤リウマチ専門医の在籍するオタワ病院(The Ottawa Hospital)に2017年2月1日〜3月6日の期間に送信された連続的な300件のFAXの従来型紹介状

  • 2015年2月1日〜2016年9月30日の期間にリウマチ科に提出された470件のE-コンサルのうち300件

分析方法:

  • 31の臨床診断と相談の種類(診断、薬剤、処置、管理、疫学、非臨床的もしくは事務的な質問など)からなる定義リストに従って分類

  • 定期的にE-コンサルを行っているリウマチ専門医が、従来型紹介状の内容がE-コンサルに適しているかを評価し、以下の4つのいずれに該当するかを分類

     1)E-コンサルで回答可能かつ対面診察を回避出来る見込みがある 
     2)E-コンサルで回答できる可能性があるが、情報が不足している
     3)E-コンサルでの回答は可能だが、対面診察を要する可能性がある
     4)E-コンサルでの回答が不可能

分析の結果、従来型紹介状の場合、300件のうち59件(19.7%)が受け入れを断られていました。

理由と内訳は以下でした。

 ・25件が受入不可の診断(変形性関節症、線維筋痛症など)

 ・21件が情報不十分

 ・13件が理由は明らかでないがリウマチ専門医の判断

リウマチ専門医から回答を得られるまでの時間の中央値は1日(最短10分〜最長9.4日)でした。

E-コンサル群では、148件(49.3%)の診療方針が変わり、138件(46.0%)でプライマリ・ケア医が考えていた方針で診療をすすめることとなり、116件(38.7%)では当初紹介を考えていたものの、専門医の回答により対面診察が不必要と判断し、不要な紹介を防ぐことができました。

相談内容や疾患の違い

従来型紹介状とE-コンサルの相談内容を比較すると、相談の種類に差はありませんが、従来型紹介状には明確な質問がない場合が多く(116件)、逆にE-コンサルでは質問が2つ以上(99件)、薬剤に関する質問が多い(67件)という特徴がありました。また相談の対象となった疾患・状況は、従来型紹介状では関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多関節炎に関するものが多く、対してE-コンサルでは関節症状を伴わない血清学的異常、痛風に関するものが多いという差がみられました。

紹介を断られた症例の93%はE-コンサルが有効と判断

従来型紹介状の内容をE-コンサルで代替出来る可能性について評価した結果、E-コンサルで回答できる可能性が高い59件(19.7%)、回答できるかもしれない62件(20.7%)、アドバイスはできるが対面診察が必要96件(32.0%)となり、300件の紹介状のうち217件(72.3%)でE-コンサルが有用と考えられました。また、断られた59件の紹介状のうち、55件(93.2%)はE-コンサルが有効と判断されました。

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Medii編集部より

今回のリウマチ科に絞った調査では、従来型紹介状とE-コンサルで相談の対象となった疾患や状況に差はみられるものの、断られた従来型紹介状を含めて大半のものがE-コンサルで初期対応できる可能性が示唆されました。
関節リウマチや膠原病、さらに脳神経内科領域の変性疾患などの慢性的に経過する病気はE-コンサルとの相性が良いと思われます。
E-コンサルをうまく診療に取り込めば、プライマリ・ケア医は困った時に専門医より迅速にアドバイスやサポートを受けることができます。
また、専門医療機関が遠方で患者負担が大きい場合も、先にE-コンサルでアドバイスを受けることで患者の受ける恩恵は大きいでしょう。

皆さまも、方針に苦慮されていたり、大学病院などへの紹介を迷われていたりする症例に関して、ぜひE-コンサル®︎で専門医の先生方に相談してみませんか?

参考文献

[1]Hazlewood GS, et al. Improving appropriate access to care with referral and triage in rheumatology. Arthritis Care Res(Hoboken). 2016;68:1547-53

[2]Rostom K, et al. Improving access to rheumatologists: use and benefits of an electronic consultation service. J Rheumatol. 2018;45:137-40

[3]Keely E, et al. A comparison of faxed referrals and eConsult questions for rheumatology referrals : a descriptive study. CMAJ Open. 2021;9:E38-43


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