Mediiは日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(以下「日本ベーリンガーインゲルハイム」)と連携し、肺線維症、間質性肺疾患等の専門医の知見をシェアし患者様に最適な治療方法を提供する『E-コンサル®︎』プラットフォーム運営の取り組みを開始いたします。
間質性肺疾患は、肺の換気を行う肺胞の壁の部分である「間質」で炎症などが生じる病気の総称です1)。そのうち、肺の間質に炎症が起こり、間質の壁が硬くなって(線維化)呼吸がしづらくなる病気を、肺線維症といいます。肺線維症は、進行すると予後にかかわる可能性のある疾患です 。
また、一度線維化した部分が元の状態に戻るのは難しいことがわかっています2)。
肺線維症の原因は多岐に渡りますが、中には、既存の薬物療法のみでは肺の線維化が進行するものもあります3)4)。進行と共に急激な症状の悪化が起こることもあり、進行を見極めて抑えるためには、早期発見・早期治療開始が極めて大切です。しかし、治療開始の判断やタイミングは専門医間でも
意見が分かれるところである上に、専門医は都市部の大病院などに”偏在”しているのが現状であり、
専門医の不足する地域医療現場では早期発見・最適な治療に課題が存在する可能性があります。
そこで今回Mediiは、間質性肺疾患領域における科学的知見を有する日本ベーリンガーインゲルハイムと提携し、膠原病に伴う間質性肺疾患をはじめ、肺線維症の患者を診察する医師向けに、同領域専門医の貴重な知見をシェアし適切な治療に繋げるための支援プロジェクトとして『E-コンサル®︎』を提供することといたしました。
『E-コンサル®︎』を通じて、医師に間質性肺疾患に対する最新情報、過去の類似症例を参照できる症例バンクの提供、専門医に1対1のオンライン相談が可能なシステムの提供を通じて、対応に悩む医師を、Mediiに登録する専門医チームがサポートする取組みを行います。
『E-コンサル®︎』により、膠原病に伴う間質性肺疾患をはじめ、肺線維症患者を診察する医師にとっては治療方針を決めるにあたって有用な専門医の知見並びに最新の情報を得られるようになり、
より適切なタイミングでの治療方針の提案が可能となります。両社で医療連携を活性化し、
患者の治療体験向上に寄与することを目指してまいります。
なお、医療連携の先駆けとなる本取り組みは、2022年4月頃より提供を開始する予定です。
Mediiは本取り組みを契機として、『E-コンサル®︎』を中心とした専門医の知見を最大化する仕組みを広め、あらゆる疾患に苦しむ患者の治療体験向上を推進してまいります。
参考文献
1) 杉野圭史: 間質性肺炎の治療と診断. 日呼ケアリハ学誌 28: 190-195, 2019.
2) Travis WD, Costabel U, Hansell DM, et al: An official American Thoracic Society/European Respiratory Society statement: Update of the international multidisciplinary classification of the idiopathic interstitial pneumonias. Am J Respir Crit Care Med 188: 733–748, 2013.
3) 日本呼吸器学会監:特発性肺線維症の治療ガイドライン2017. 南江堂, 東京, 2017.
4) Raghu G, et al : An official ATS/ERS/JRS/ALAT clinical practice guideline : treatment of idiopathic pulmonary fibrosis. an update of the 2011 clinical practice guideline. Am J Respir Crit Care Med 192 : e3–19, 2015.